B2Bマーケターって、今後も売り手市場だと個人的には考えています。そして、どんどんキャリアアップしましょう、というのが個人的な考えですが、転職検討時に留意したいこと、ざっくりですが、まとめてみました。
■今後も続くであろうB2Bマーケターへの需要
B2Bマーケターって、今後も売り手市場だと個人的には考えています。とあるテレマーケティング会社とお話する機会がありましたが、最近、国内企業からの業務依頼が増えている、そして、2018年が日本ではインサイド・セールス元年と言われている通り、B2Bでのデマンド・ジェネレーションへの明確な投資、ターニングポイントが来ている印象です。その為、国内企業の求人需要は強いです。私自身も国内のB2B IT企業からLinkedinやWantedly経由でお話を受けることがあります。
一方で、私がいる外資系ITでいえば、こんな感じです。売上成長が対前年比で数十パーセント以上の成長企業は積極採用、ポジションが増えますが、成長率が10%以下の企業では日本は現状維持だったり、本社側をどんどんスリム化していて、大きな流れとしてはキャンペーンの中央集中化を進めてますね。但し、実はこれもグローバル企業でもかなりレベル感はまちまちです。ある古参のB2B企業では、デジタルマーケの施策としてグローバルキャンペーンをようやく始める段階でこれまで各国がバラバラで施策を実施、且つ、各国でインハウスでコンテンツ作成を行うなど、かなり重複・非効率な状況があったとのこと。
何が言いたいかと言いますと、転職の時、ポジションのJob Description も大事ですが、転職先の会社のB2Bマーケティングの成熟度、すなわち、環境も大事ということです。デジタルマーケティング担当として入社しても、MAとかWebの整備から始まる場合とコンテンツ・マーケテイングから始まる場合ですと、かなり前提違いますよね?JDはあってるけど、環境が違いすぎたというミスマッチは防ぎたいです。
■まずは転職先のB2Bマーケ組織の成熟度を確認
率直に言えば、若くて経験を積みたい方はB2Bマーケティングが成熟した企業に転職すべきです。一方で、経験が十分に備わってくると、年収やプロジェクトを軸に、成熟していない企業に入る、貢献するパターンが考えられるのではないでしょうか。
いずれの場合も、転職先の企業のB2Bマーケ成熟度は十分に把握し、ミスマッチを防ぎたいところです。営業職であれば、知り合いがいるといった情報源があったり、転職エージェントもよく社風を把握している場合が多いですが、B2Bマーケ部門の情報はほぼなかったり、知り合いの営業やエージェントも詳細は理解できていないので情報共有が的確でないことがありえます。そして、Job Description読んでも一通りのことしか書いてません。従って、面接時にどんどん質問するしかないのです。
例えば、こんな感じでしょうか。
・B2Bマーケティング部門としての主要な課題、チャレンジはなにか?
・本社にはどのようなマーケティング組織があるか。一般的にはプロダクトマーケティング、フィールドマーケ、カスタマーマーケティング、チャネルマーケティング、PRですかね。
・本社と地域(リージョン=日本)の役割分担は?
・日本のキャンペーン施策でのグローバルとローカルの比率は?
・日本のマーケティング部門のKGIやKPIはなにか?
・マーケティングのインフラとしてMA、CRM等をいつから使い始めたか。
・リードマネジメントプロセスに関するインサイド、フィールドセールスとの連携はどのような感じか。
■併せて考えたい 専門職か管理職かのライフプラン
B2Bマーケティングって、営業職と違って、細分化されていますよね。例えば、デジタルマーケやフィールドマーケの人はプロダクトマーケはできないとか、です。そして、B2Bマーケを新卒採用する会社はとてもレアで、基本的には中途・即戦力採用になりますから、始めは専門職としてのキャリアを積む必要があります。
一方で、マーケティング・テクノロジーの変遷も激しいのは事実としても、B2Bマーケの場合は法人向けということもあり、B2Cと比較して、テクノロジー・手法の変化はかなり緩やかな気もします。また、インハウス重視で、リッチなマーケティング組織を持つこと自体、日本企業でも外資系企業でもあまり見られません。
このような求人、組織環境を考慮すると、やはり、どこかのタイミングで専門職を継続するか、管理職を目指すかを考える必要があります。正直、B2Bマーケターで40代、50代になっても専門職で同じことをできる環境はあります。理由はB2Bマーケターが圧倒的に少ない、売り手市場だからです。違った視点で見れば、売り手市場は専門職に限った話ではないわけですから、管理職へのチャレンジ機会もあるわけです。この点を客観的に捉えて、自身のキャリア可能性は幅出ししておきましょう。
管理職への第一歩は、専門職のチームを管理できることでしょうか。そして、違うファンクションのチームがどのようなことを実施していて、どう連携するのか、どんどんインプットする機会を持ちましょう。例えば、Webチームが他の部門であれば、自分にもウェブ解析のアクセス権をもらってデータを見てみるとか、プロダクトマーケティングチームのビジネスプランを見せてもらうとか、ですかね。
売り手市場なので、可能性、選択肢も自由度高いので、現状に甘んじず、自身のキャリア成長をときには考えてみてください。