外資系企業で働く、海外とのビジネス機会が多い方からすると、海外との電話会議は避けて通れないですね。最近では、ビデオ会議システム(Webex、Skype、Zoom等)が普及し、出張ではなく、定期的に電話会議で情報交換を行う頻度が一気に上がりました。一方で、英語がネイティブではない、多くの日本人にとって、英語での電話会議は結構ストレスのかかる仕事です。今回は、あまり体系的ではないですが、英語での電話会議を少しでも効率的、且つ、ストレスを最小化する方法をまとめてみました。
■まずは、実践的な英語力を鍛えておく
当然、英語力が高まれば、間違いなく、電話会議ストレスは減少しますね。ビジネス英語的な勉強方法は世の中に色々ありますが、個人的には実践、場数を踏むことが早道だと考えます。一般的に海外駐在員等の要件レベルとしてTOIEC750といった指標もありますが、英語ネイティブな方々との1対1、ましてや集合体での会議体で各自がディスカッション始めるような場では、TOIEC750ではほぼ通用しないというのが個人的な認識です。
実践を増やす、実践からの学びを効率的にする方法として、考えられる手はこんな感じでしょうかね。
・電話会議に出て、使えそうな英語の言い回し、単語はひたすらパクる、理解しておく
・ビジネス単語、フレームワークを理解する為、業務分野のPodcast等を利用する
・自社内の英語情報(キックオフの動画など)を積極的に見ておく
・信頼関係のある同僚には、短時間でもいいので、メールではなく電話でもやりとりする
・出張などの機会では、寝る時間以外、ひたすらネットワーキングにも参加する
■英語力以外で工夫すべきは?
実践的な英語力の向上は、結局のところ、場数に依存しますが、機会が限られている場合には英語力以外で工夫できることを考えてみましょう。
●フレームワークで共通理解を形成しておく
海外との電話会議である以上、ビジネス現場側の日本を相手方に理解をして頂く必要があります。日本からの要望、依頼事項について、その背景をきちんと説明しなければ、相手も判断できませんから。その意味で、双方の共通理解を促進するフレームワークを強く意識しながら、会話する必要があります。
マーケティング分野でいえば、3C(市場、競合、自社)の市場分析、STP(セグメンテーション、ターゲット、ポジショニング)、4P(製品、価格、場所、プロモーション)といったように、電話会議の議題に関連するフレームワークをしっかり念頭に置いて、会話する必要があります。
双方のコミュニケーションとなっているフレームワークが異なっていると、本当に会話が噛み合いません。電話会議の場合、そして、社内の場合、プレゼンテーション資料が少ない場合、フレームワーク感が共有されないリスクがあります。逆に言えば、こちらから説明していくのであれば、英語力を補う簡単なピッチ、フレームを投影しながら話すのも手ですかね。
●お願いしやすい、人間関係を構築しておく
電話会議の会議体、参加メンバーの形態によって、大きく分類すると2つあります。1つは1対1(もしくは日本対本社)、そして、もうひとつはN対N、例えば、本社と日本、中国、アジア圏といった複数の拠点が参加する形態ですね。
特には1対1の電話の場合、時間的な余裕もあったりして、個人的な会話も弾む場合があります。電話会議する相手のお国柄で強弱はあるのかもしれませんが、欧米人は特に仕事を楽しむ、仕事のやりとりを楽しむ傾向が強いように感じます。ですので、余談含めて、楽しく会話できることは、厳しいお願いも中和する役割をもったりします。同様に、こちらも相手を理解してあげる、相手の大変さを理解するなど個人的な共感が双方の信頼感の構築、コミュニケーションの円滑を推進します。
幸運にも、世界中の方々は日本に興味津々です。旅行で日本に来たり、日本の車に乗っていたりと様々な接点、関心があります。電話会議の冒頭、アイスブレーキングのタイミングで、例えば、花見といった季節行事の話をしたりするのも良いでしょう。
●音声品質が良く、集中できる環境で臨む
皆様のシステム環境にもよりますが、電話会議に出る方法にはいくつかあります。で、考えられる入り方を極力実践してみて、もっとも音声が安定するパターンを認識しておくことです。更に言えば、各パターンを音質順に整理しておき、最も良い入り方が突発的に駄目だった場合に代替策がすぐに取れるようにしておくことです。
・会議室設置の電話会議システム
・パソコンのオーディオ
・自分の携帯でWifi等のネット接続
・自分の携帯で音声接続
・最後の手段としての1対1電話接続
そして、集中できる環境作りですね。但し、これも一長一短です。会社の会議室で参加すれば、確か外からの雑音は遮断はされ、音声は向上しますが、一方で閉塞的であり、開放的ではないんですよね。会議体自体がコミュニケーション中心で開放的な気持ちで臨む必要があれば、場所は選択してもよいのかもしれません。
同時に早朝、深夜も会社から出るという大前提でいると、結構、ストレスが溜まります。自宅、通勤・帰宅途中のカフェで出る発想をもつと、参加自体に対するストレスが軽減されます。
・自席で参加:他の人に発言聞かれるけど、気楽に参加可能
・会議室で参加:閉塞感はあり、特に同僚と参加する場合
・社外から参加:深夜、早朝などは自宅、カフェなどで開放的に
まとめ:最大限のストレス源になりえる英語・電話会議への対策を考えよう
外資系企業で働く場合、英語ネイティブでない限り、海外との英語での電話会議は結構なストレスになります。個人的な感覚として、日本語での会議より2倍近くの疲労感を感じます。
ストレスが強く感じる場合、自分なりにストレスを軽減する方法を考えてみることをおすすめします。