年間計画の立案時期ですね。マーケティングの世界では俯瞰志向が重要だとされていますが、今回は、会社全体のパイプライン・売上を製品別に見る、ResultDrivenなマーケティング施策の立案アプローチに利用できるデータ可視化として、ScatterChart、散布図をご紹介します。
■例えば、BCG PPG に代表されるScatter Chart
ボストンコンサルティンググループが開発した事業分析の手法として、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)があります。複数の製品・事業を保有するコングロマリオットが、市場の占有率(自社のシェア)と市場の成長率の二次元に自社製品・サービスをプロット、そして、プロットする製品はバブルチャートの大きさで売上規模や利益額を表現することで、自社にとっての成長機会、市場機会を俯瞰する手法です。(参考までに、外部サイトですが、”プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは?花形・金のなる木・負け犬・問題児”)
このPPMに代表されるチャートの手法をScatter Chart =散布図と言います。PPMの例でいえば、市場の占有率と成長率と二つの外部環境の要素に、自社の売上という内部環境の関係性をうまく表現できているわけですが、この散布図の応用例を紹介しておきます。
■SFAのパイプラインデータを投入して、Scatter Chart で分析
例えば、年間のパイプラインデータを投入して、製品別のパイプライン規模、売上規模、Won率を可視化します。分析の目的としては、結局、勝ててる商材は何か?その規模は?に答える為の分析です。このチャート例の単体では、成長率までの軸を組み込んでいませんので、例えば、年単位でレポートを並べることで分析補完するか、ですね。
横軸がパイプライン総額、縦軸がパイプラインからの受注率(金額ベース)になっていますので、自社製品ごとの市場機会の規模、勝率について、チャートを通じて理解できます。
■では、マーケティング視点で何を掘り下げるべきか?
例えば、パイプラインデータを営業創出分とマーケティン創出分でフィルターし、営業創出パイプラインで勝てている、そして、売上金額のボリュームも多い製品を特定します。このような製品は、MQLを創出すれば、営業のフォローアップ、受注が期待できるので、マーケティング活動をより注力すべき製品だとわかります。
例えば、3年間のパイプラインデータを投入し、各年の変化を確認します。売上や勝率が高まっている製品により注力するという示唆が得られるかもしれません。
更に言えば、マーケ創出パイプラインから受注につながった案件に関して、創出元のマーケティング施策を確認することにより、当該施策の拡大、追加を検討してみてもよいかもしれません。
まずは森を見て木を見ることが大事ですので、会社全体のパイプライン・売上を製品別に見て、施策をドリルダウンするResultDrivenなマーケティング施策の立案アプローチについて、このような散布図で取り掛かるのがオススメです。