B2Bマーケティングの仕事=社外の顧客へのコミュニケーションを通じた顧客の育成ということに間違いはありません。けれども、顧客に対する接点を持つのはマーケティングだけではなく、セールスでもあります。この前提にたった場合、B2Bマーケとして、営業部門への情報共有、連携の方法を標準化した方がよいのでは?というお話です。
▪️B2Bマーケターとして、社外への情報発信だけでOKか?
B2Bマーケの組織化されると、多くのコンテンツが作成され、コミュニケーションが形成されます。一般的なB2Bマーケの活動として、次のようなものが挙げられます。
・自社主催セミナー、ウェビナー
・メール・マガジンでのメール、コンテンツ配信
・ウェブコンテンツのリリース、更新
・プレスリリースの配信
・外部メディア広告
・パートナー企業との協賛
・展示会、外部媒体でのセミナー
これらの活動状況について、どの程度、社内、特に顧客接点を持つ営業部門、エンジニア部門と共有できていますか?仮にこれらの情報共有が行われない場合、どのようなデメリットがありそうでしょうか。
▪️マーケと営業の連携不足が生む、顧客体験の分断
例えば、分かりやすい例として、プレスリリースや、ウェブコンテンツのリリースを考えみましょう。
もし、顧客接点を持つ営業部門に、新製品のプレスリリースが告知されていない、またはウェブコンテンツとしての新着・技術資料が共有されないとします。そんな中で、営業が顧客訪問をした時に、顧客から”先日のメルマガで案内頂いた技術資料の詳細について教えてほしいですが。。”と聞かれたら、どうでしょうか?
仮に、マーケティング部門から営業への情報共有が的確にタイムリーに行われている場合、営業はお客様の質問、疑問にお応えできて、顧客からの信頼獲得ができます。けれども、その逆の場合、信頼は低下することになります。
この例の場合では、顧客からコンテンツへの反応があった場合の話ですが、もう少し視野を広げると、マーケティング部門がリーチできていないが、営業が接点を持つ顧客へのコンテンツ提供の機会損失が起きていることも懸念されます。
例えば、メールマガジンでオプトインできていない、またはウェブを頻繁に訪問しない顧客の中には、一方で、営業からの情報共有をメインソースしている方もいます。これらの方に、営業にコンテンツをデリバリーしてもらう発想を持つと、コンテンツ作成の効果を最大化できるわけです。
リードや案件情報の連携については、CRM、SFAで標準化されていたりしますが、このようなコンテンツの情報共有は、残念ながら、意外に標準化されていない場合があります。
▪️コンテンツ別に社内情報共有の標準化へ
営業部門への情報共有の重要性を理解頂いたところで、では、これらの情報共有はどのように効率化、最適化できるのでしょうか?
ポイントの1点目は、情報共有の機会=チャンスを最大化することです。
多くの企業では、全社でのキックオフがあったり、事業部門、営業部門のレベルでの定例会があったりしますよね。ややもすると、マーケティング部門からメール1本で情報共有したつもりになる場合がありますが、メールはかなりスルーされている場合があります。
施策、コンテンツの重要性、営業の協力期待度合いにより、例えば、次のような社内コミュニケーションが考えられたりしますが、みなさんの会社では如何でしょうか?
・四半期の全社キックオフで、Big Bets =重要なキャンペーン、カレンダーの共有
・営業部門会にて、営業協力が必要な施策のインプット(例:セミナー集客)
・メールでの実施前、実施後のコミュニケーション
次に、3点目でで実施前、実施後のコミュニケーションとありますが、これも重要なポイントの2つ目です。例えば、セミナーの集客を営業にも期待して、セミナーの開催告知を出したとして、セミナーの集客進捗、または最終結果が共有されないと、営業は次回からは動いてくれません。仮にウェブコンテンツについて、営業でも顧客への案内をお願いするのであれば、その結果としての閲覧数を共有するといったことです。
上記の様々タイプのマーケティングからの情報共有について、タイプ別にどのようなメール内容で、どのようなタイミングで発信するのか、以外に属人化している場合があります。ですので、ポイントの3点目としてて、これらをテンプレート化することです。テンプレート化すると、情報の受け手側の営業の理解も進み、結果として、顧客の動きもスムーズになります。
まとめ:見落としがちな社内マーケティングを整理しておく
顧客接点を持つ営業への情報共有ですが、コンテンツ作成、セミナー企画と比較すると、本当に手間がかかりません。情報共有のメール・テンプレート化さえしてしまえば、コンテンツやセミナーの企画段階で書き落とした目的、狙いなどを転載するだけです。
是非、社内でのマーケティングとセールス部門での情報連携を強化して、顧客体験の向上を図ってみては如何でしょうか?
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