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B2Bマーケティング施策レビューにおける5つの要点

B2Bマーケティングに限らず、ビジネスのあらゆる場面で、実施した施策の結果に関して、レビューが求められます。では、効率的、効果的なレビュー方法、アプローチとして何かフレームワークとして整理できないか?とある機会に個人的にまとめた枠組みを今回は紹介していきます。

1)施策のレビューの軸、指標が明確か?

どのような結果をもって成功、失敗と判断するかの軸です。この軸が、レビューに関わるステークスホルダーの間で共通認識として落とし込まれていない限り、単なる評価視点のアドホックな幅だし、提示、議論で消耗してしまいます。評価軸を構成するのは施策の最終的な成果目標(KGI)であったり、KGIを構成する主要な要素であったり、またはKGIに対する主要な先行指標が考えられます。

2)レビュー対象の指標を支えるデータ、エビデンスが確からしいか?

評価軸が明確で、指標も明確でありながら、これらのデータに関する信頼性が確保されている必要があります。レビュー実施者とステークスホルダーで、評価に利用するデータのソース、抽出元に関する共通理解が形成されている必要があります。ですので、レビュー実施者は、どのようなデータを分析、評価の対象としたかのデータソースの提示、または分析、二時的なデータ加工に利用した方法も合わせて説明することで、関係者の間でデータ、もしくは情報の確からしさを築いておきましょう。

3)成果につながった要因分析を展開できているか?

評価軸に基づいた結果の良し悪しの報告にも価値はある訳ですが、成果を継続・改善していくためには、その結果をもたらした要因に関する考察こそ、より有益であり、レビューの目的です。成果の変化が発生した、または発生させた場合に、その要因を把握できていないと再現性が担保できないからです。分析の分野では、Actionable Insightという言葉が表現されますが、次のアクションにつなげられる考察が有益なのです。

4)成果につながった要因に関して、外的要因に内的要因に分解、分析できているか?

先ほどのActionable Insightとも関連しますが、要因そのものを自社でコントロールできる事象か、それともコントロールできない事象かの切り分けも必要です。例えば、自社でコントロールできない外部環境の変化による悪い結果となった場合、そして、それが継続していく場合、そもそも、現行の施策対象のビジネスそのものを継続すべきかという判断になっていきます。一方で、自社でコントロールできる事象であれば、良い変化であればそれを継続・定着する、悪い変化であれば、改善に取り組む意義が見い出せます。

5)内的要因に関して、施策の改善点が、戦略性(効果性)とオペレーション性(効率性)のどちらの要素が強かったか?もしくは、この2つの視点で整理できているか?

内的要因として、結果をもたらした施策の変化に関して、例えば、成果をより効果的に引き出すための仕掛けであったか、それとも、オペレーション効率を改善したかの視点で整理するのも良いでしょう。例えば、マーケティングの場合、キャンペーンのメッセージングやコンテンツを強化することで1回のキャンペーンあたりの効果を最大化するのが前者で、一方で、キャンペーンを実施・展開する回数・規模をオペレーション視点で最大化するのが後者といった軸でレビューしていくのも良いでしょう。

以上、レビュー視点に関するポイントのまとめです。レビューがうまくいかないときに、チェックリストとして利用してみてください。

併せて、データ分析に役経つ、書籍をご紹介しておきます。

●会社を変える分析の力(書籍リンクはこちら

ビジネス部門がデータ分析を行う場合のアプローチ、概要として読んでおくべき本ですね。データ分析には、データをマイニングして何かしらの洞察、モデリングを行う場合と、仮説、ゴールがあり、それへの到達状況を可視化したり、要因分析を行う仮説検証型があるのですが、後者をよく説明した書籍になります。

●Google流資料作成術(書籍リンクはこちら

データ分析を行い洞察を得る、または、洞察を得る為のレポート共有基盤を整備してチームで分析することに焦点を当てていましたので、分析結果をプレゼンテーションして、組織を動かしていくまでの段階を含めていませんでしたが、こちらの書籍はむしろ、この後半部分のお作法、ナレッジを補完するものです。

●データビジュアライゼーションの教科書(書籍リンクはこちら

こちらは、データ分析でのチャート作成の段階にて、分析目的に応じた適切なチャートを選定を支援する書籍かと思います。チャートセレクションなどでウェブ検索すれば、このあたりの情報が落ちていたりもしますが、書籍で勉強したい方向けです。チャートの選定だけでなく、配色の工夫などのプラスアルファもカバーしていたかと思います。

●BI、レポーティングツール関連書籍

そもそもBIツール、レポーティングツールで分析アプリ作成の経験がない場合、自社で利用可能なツールの入門本を利用してみようということで紹介した本です。ここで上げているのはPower BI、Goole Data Portal(現在はLooker)ですが、自社で利用できるツール本を探してみるか、Youtube、Webinarでデータ取り込み、レポート作成のスキルを習得すると良いかと思います。

できるPower BI データ集計・分析・可視化ノウハウが身に付く本 (できるシリーズ) (書籍リンクはこちら

「BIツール」活用 超入門 Google Data Portalではじめるデータ集計・分析・可視化(書籍リンクはこちら

尚、こちらの書籍の中盤で、データ分析のサイクルを説明するページがあり、ここは一読をおすすめします。ビジネス部門のデータ分析、仮説検証型の概念を平易に説明していますので、このフレームワークを念頭にデータ分析することをおすすめします。

●リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ(書籍リンクはこちら

こちらは逆にデータの読み手となる場合に、一次データからの加工によるデータ歪曲、および、そもそもの一次データが取得された環境やサンプルのバイアスなど、データ分析の素地となるデータを疑う癖、リテラシーを養う為の書籍になります。

 

最後に、Noteのご案内です。B2BマーケティングのDemand Generation分野のデータ分析の実践的なアプローチをまとめたNote”サンプルチャートとデータ分析の進め方の解説付き、B2Bマーケティング・Demand Gen分野のデータ分析ガイダンス”を公開中です。こちらのリンクから、この機会に購読ください。
 
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